罪ノ光ランデヴー

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罪ノ光ランデヴー

管理人の一言:■二人は、永遠の絆で結ばれた。罪という名の鎖によって。暗いトンネルの向こうに、光が見えている。そのほんの一筋の光は、希望を表しているようにも感じた。小さな村の、たった一つの出入口であるトンネルの目の前で、「野々村優人(ののむらゆうと)」は空想世界の絵を描いていた。光が届かないくらい遠い海の底に住む、人魚の女の子の画。その日は、ふと顔をあげると目の前に彼女が ――キャンバスの中と同じ、彼女がいた。小さく、狭く、閉じた、絵本の中のような、その場所に。そしてその村 ー 珠里村(たまさとむら) ― も優人も、その「真澄(ますみ)あい」という新しい住人を受け入れた。―― 光に手を伸ばし、それを辿るようにして、着いた場所で。■罪だと思い込んで生きるほうが、気が楽だったから。新学期、春。両親のいない優人にとって、入学式は憂鬱なイベントだった。校門の前で写真を撮ったり、新入生入場の瞬間をビデオカメラに収めたり、特別な一日を親子で楽しむ。その当たり前の景色が自分に欠如していることはもう慣れてしまったことだった。それでも桜の咲く前に、唯一の近しい親戚である祖母を失ってからは、急に寂しさを感じることがあった。そんな優人の孤独を知り、あいは自らの痛みを打ち明ける。■悲しい結末のほうが、記憶に残ると思っていたから。親に捨てられ、生まれながらの孤独を味わいながら、自分の生きる意味を探しているあい。父親を火災で亡くし、母と姉は行方不明。村に取り残され、空想の絵を描いて現実逃避をする優人。二人は真逆で、それから、よく似ていた。距離は縮まってゆく。優人は、ある後悔を抱きながら。あいは、ある嘘を隠しながら。秘密を抱えたままの二人が関わり、繋がり合おうとしていくたびにその罪はより強いものになり、絆になっていった。光には影が、あることを忘れたまま。

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